カノンロックとは?クラシックとロックの奇跡的な融合
エレキギターの激しいサウンドでクラシックの名曲「パッヘルベルのカノン」を演奏する、それが「カノンロック」です。
クラシックの優雅な旋律と、ロックの持つ情熱的なエネルギーが見事に融合したアレンジで、多くの音楽ファンの心を掴んでいます。
原曲「パッヘルベルのカノン」について
カノンロックの元になった「パッヘルベルのカノン」は、17世紀ドイツの作曲家ヨハン・パッヘルベルによって作られました。
この曲は「カノン進行」と呼ばれる非常にシンプルで美しいコード進行を繰り返すのが特徴で、その心地よい響きから結婚式やCMなど、様々な場面で愛され続けています。
なぜロックアレンジで人気が出たのか
「パッヘルベルのカノン」のコード進行は、実は多くのポップスやロックの楽曲でも使われる王道の進行と非常に似ています。
そのため、エレキギターのディストーションサウンドや速弾きといったロックの要素を加えやすく、ギタリストがテクニックを披露するのに最適な題材だったのです。
クラシックの知名度とロックのかっこよさが組み合わさったことで、ジャンルを超えた幅広い層に受け入れられました。
話題沸騰のきっかけとなった動画
カノンロックの魅力を知るには、実際の演奏を見るのが一番です。
インターネット上で「うまい」と話題になったこちらの動画をご覧ください。
演奏から伝わる純粋な楽しさ
この動画の投稿者は「個人的にこの人がNo.1です。楽しそうに弾いてるところもいいですね。」とコメントしています。
その言葉通り、ギタリストが心から音楽を楽しんでいる様子が伝わってくるのが、この動画の大きな魅力です。
難しいフレーズを正確に弾くだけでなく、音楽に身を委ねて楽しむことが、人を惹きつける最高のパフォーマンスに繋がるのかもしれません。
カノンロックの起源|すべては一人のギタリストから始まった
これほどまでに広まったカノンロックですが、その起源は一人のアマチュアギタリストの投稿からでした。
数多くのカバー動画が存在しますが、元祖となる人物がいます。
創始者は台湾のギタリスト「JerryC」
カノンロックを最初に生み出し、世界に広めた人物、それは台湾の台北市出身のギタリスト「JerryC(ジェリーシー)」です。
彼がアレンジし演奏した「Canon Rock」こそが、現在知られている全てのカノンロックの原点と言えます。
この事実は非常に重要なので、ぜひ覚えておいてください。
元祖「Canon Rock」の衝撃
こちらが、全ての始まりとなったJerryC本人によるオリジナルの「Canon Rock」の動画です。
この動画は、テクニカルな速弾きや流麗なメロディが圧巻で、まさにオリジナルにして至高のアレンジです。
当時、アマチュアのギタリストが自宅で撮影したとは思えないクオリティは、世界中のギターキッズに衝撃を与えました。
カノンロックはいつ誕生したのか?
JerryCがこの歴史的な動画を投稿したのはいつ頃だったのでしょうか。
彼の公式サイトは現在閉鎖されており、正確な日付を特定するのは難しい状況です。
YouTubeへの投稿が全ての始まり
有力な手がかりは、前述のYouTube動画のアップロード日です。
動画情報によると、投稿日は「2005年12月」(別サイトへの初期投稿日)とされており、YouTubeに転載されたのが2006年頃です。
まさにYouTubeのような動画共有サイトが普及し始めた黎明期に、このムーブメントは誕生しました。
このことから、カノンロックの起源は2005年末から2006年初頭と考えるのが最も自然でしょう。
火付け役「JerryC」とは何者か?
カノンロックを生んだJerryCとは、一体どのような人物なのでしょうか。
彼のプロフィールと経歴を詳しく見ていきましょう。
プロフィールと経歴
- 名前:JerryC(ジェリーシー)
- 本名:張逸帆(チャン・イーファン)
- 生年月日:1981年8月31日
- 出身地:台湾 台北市
- 身長:184cm
彼はもともとアマチュアのギタリストとして活動していましたが、「Canon Rock」をインターネットに投稿したことで一躍有名になりました。
その人気はすさまじく、日本の音楽雑誌やテレビ番組でも特集が組まれるほどでした。
そして、2009年には自身のアルバムをリリースし、プロのミュージシャンとしても活動の幅を広げています。
現在の活動
JerryCの公式サイトは見られなくなっていますが、現在も音楽活動は続けているようです。
彼の近況に興味がある方は、公式のFacebookページをチェックしてみてください。
カノンロックが音楽シーンに与えた影響
JerryCが生み出したカノンロックは、単なる一過性のブームでは終わりませんでした。
誕生から15年以上経った今でも、多くの人々に愛され、演奏され続けています。
「弾いてみた」文化の象徴へ
カノンロックは、ギタリストにとって自分のテクニックを試すための「課題曲」のような存在になりました。
YouTubeやニコニコ動画といった動画サイトには、世界中のギタリストによる「弾いてみた」動画が数多く投稿されています。
これは、インターネット時代の「弾いてみた」文化を象徴する楽曲の一つと言えるでしょう。
様々な楽器への広がり
カノンロックの人気はギターだけにとどまりません。
ピアノ、バイオリン、ドラム、さらには尺八や三味線といった和楽器で演奏する強者まで現れています。
原曲の持つ普遍的なメロディの美しさが、楽器の垣根を越えて多くの演奏家を魅了している証拠です。
この記事のまとめ
- カノンロックとは、「パッヘルベルのカノン」をロック調にアレンジした楽曲のこと。
- 起源となった人物は、台湾のアマチュアギタリスト「JerryC」。
- 誕生した時期は、YouTube黎明期の2005年〜2006年頃と推定される。
- JerryCの動画がきっかけで世界中に広まり、「弾いてみた」文化の定番曲となった。